2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌-間質相互作用からみた膵癌脈管新生の分子生物学的解明
Project/Area Number |
19591596
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
高橋 広城 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 講師 (30381792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢井 博純 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40336681)
竹山 廣光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00216946)
高山 悟 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70381887)
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Keywords | 膵癌 / リンパ管新生 / 血管新生 / サイトカイン / 癌・間質相互作用 |
Research Abstract |
癌-間質相互作用からみた膵癌脈管新生機構を分子生物学的に解明するために,膵癌細胞と間質細胞の共培養により脈管新生能を比較検討し,そこに関わる既知未知のサイトカインを同定することを目的とした。当科では膵癌細胞株を高肝転移株と非肝転移株に分類しており,これらの膵癌細胞株を用いた.血管内皮細胞としてはHUVECを用い、リンパ管内皮細胞は新生児皮膚由来のLECを用いた。平成19年度において、膵癌細胞と線維芽細胞,HUVECをdouble chamber methodで共培養し,HUVECを染色して管腔形成能を評価した結果、肝転移能の高い膵癌細胞はHUVECの管腔形成能を亢進することを確認した。また膵癌細胞と線維芽細胞,LECをdouble chamber methodで共培養し,LECを染色してtube-like formationを評価した結果、Mia PaCa2はtube-like formationを亢進し,BxPC-3は亢進しないことをつきとめた。平成20年度においては、リンパ管新生に強く影響しているVEGF-Cの発現を、Real time PCRを用いて測定したところでは、Mia PaCa2ではVEGF-Cの発現が亢進し、BxPC-3では亢進していないことが判明した。同様にELISAでもMia PaCa2ではVEGF-Cの発現が亢進し、BxPC-3では亢進していないことが判明した。そしてMia PaCa2の培養上清を用いると、BxPC-3の上清に比べ、migrationが増加していた。またコラーゲンゲル内でのLEC/fibroblastの共培養によるLECの管腔形成能は、Mia PaCa2との共培養により、有意に増加していた。 またこれらMia PaCa2との共培養により増加していた管腔形成能は、VEGFR-3抗体にて阻害された。以上の結果から膵癌周囲のリンパ管形成は、VEGF-Cを中心にして、膵癌、リンパ管、線維芽細胞などによる、癌-間質相互作用があって初めて形成されうるものと考えられ、更なる検討を行うことにより、新たな分子標的治療のターゲットとなりうると考えられた。
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Research Products
(7 results)