2007 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌における低酸素環境下での網羅的遺伝子解析による抗癌剤耐性機序の解明
Project/Area Number |
19591597
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
谷 眞至 Wakayama Medical University, 医学部, 講師 (60236677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40398459)
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Keywords | 膵癌 / 抗癌剤感受性 / 薬剤耐性 / Gemcitabine |
Research Abstract |
現在、膵癌で標準的に用いられる抗癌剤は5-FUとの比較試験の結果、塩酸gemcitabineとなり、全世界的に使用されてきた。そこで、さらなる強い抗腫瘍効果ならびに予後の改善を目的とし、他の抗癌剤との併用が検討されてきた。しかし、その併用効果はほとんど認められず、結局、併用にて増強効果の認められた薬剤は分子標的治療薬であるerlotinibのみであったが、その併用効果もたかだか生存期間中央値でわずか2週間ばかりの延長効果しかなく、統計学的には有意差があるものの、医学的・経済学的にみても塩酸gemcitabineの膵癌に対する位置づけには変化がない。このことは、膵癌細胞株において、塩酸gemcitabineに対する耐性機序の解明は非常に意味のあることであり、膵癌治療の一助となりうると考えている。 そこで、ヒト由来膵癌細胞株をgemcitabine濃度を漸増しながら、持続的にgemcitabineと接触させ、gemcitabineに対する耐性株を作成したところ、10倍以上の耐性を有する細胞株が樹立できた。これらの細胞株を使って網羅的に遺伝子解析が可能と考えている。
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