2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変合併肝癌治療における肝星細胞機能阻害療法の開発
Project/Area Number |
19591599
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
若林 剛 Iwate Medical University, 医学部, 教授 (50175064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 友之 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10199698)
前沢 千早 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10326647)
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Keywords | 肝癌 / 肝星細胞胞 / AngII / ADAM / EGFR / 浸潤 |
Research Abstract |
【目的】当該研究課題では,肝癌-肝星細胞の「がん間質相互作用」におけるAngII (angiotensinII)-ADAM (a disintegrin and metalloprotease)-EGFR (epidermal growth factor receptor)のクロストークの意義をin vivo, in vivoにおいて解析し,肝癌治療におけるADAM阻害剤の有効性を検証する.【本年度の計画】肝細胞癌株および肝星細胞初代培養細胞株における, AngII-ADAM-EGFRのクロストークの検証ヒト肝癌培養細胞株6株(Alexander, HepG2, HLF, HuH7, Li-7, PLC/PRF/5),ヒト肝星細胞初代培養細胞株1株(LI-90),ラット肝星細胞初代培養細胞株1株を用いて,低分子化合物・中和抗体・siRNAによるクロストークの阻害実験を行った. 【結果】(1)肝癌細胞株,肝星細胞ではそれぞれオートクライン,パラクライン的にAngII-ADAM- EGFRのクロストークが細胞の増殖,浸潤能の亢進に寄与していることが明らかにされた.(2)AngIIの選択的阻害剤は肝細胞癌におけるAngII-ADAM- EGFRのクロストークを遮断し,細胞の増殖,浸潤能を低下させた.(3)AngII-ADAM17-EGFRの効果阻害にARB, TAPI-IIが有効であり,腫瘍細胞の増殖能の抑制が有効であることが示された.【意義・重要性】本研究におけるin vitroの研究成果は肝癌細胞のprogressionをAngII阻害剤によってよって抑制できる可能性を示唆しており,肝癌・肝硬変患者において,現在降圧剤として汎用されているARBを肝癌の進行抑制や,肝線維化の進展による肝不全の予防に使用できる可能性を示したもの意義深い.今年はvivoの実験に移る.
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Research Products
(2 results)