2008 Fiscal Year Annual Research Report
早期肝細胞癌を用いた肝癌多段階発癌における包括的ゲノムコピー数変化の解析
Project/Area Number |
19591601
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
緑川 泰 Teikyo University, 医学部, 講師 (10292905)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / ゲノム / 病理学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本研究では多段階発癌のステップを踏む肝細胞癌において、肝癌脱分化の過程でのゲノムレベルでの包括的変化を解析してきた。解析方法としてはGenome Imbalance Mapにより行い、5例の結節内結節像を呈する肝細胞癌(以下NIN)においで肝癌脱分化に伴い変化した染色体25領域をまず同定した。これらの染色体変化領域のうち、14例の早期肝癌と25例の進行肝細胞癌を分類ずるだめの領域をNINで選択した25領域を独立変数として決定木により選択することが可能であった。すなわち5q11.1-35.3と8q11.1-24.3の増加及び4q11-34.3と8p11.21-23.3のヘテロ接合性の欠失(以下LOH)か肝癌進展に寄与す染色体変化領域であると考えるられた。さらにこれらの4領域のうち、8p23.2のCSMD1遣伝子が進行肝細胞癌68例中3例でホモ欠失していた。CSMD1について肝癌細胞株Hep3B,HepG2,HLE,HT17,Huh6,Huh7,Li-7,PLC/PRF/5を用いて解析を進めたところHep3B,HepG2,Huh6,Huh7,Li-7においてCSMD1の発現レベルガ低下し、それはバイサルファイトシークエンス法及び5-Aza-dCにより処理した細胞株でのCSMD1発現レベルの上昇からプロモーター領域のメチル化によるものであることか判明した。さた切除検体においてもmRNA発現レベルとプロモーター領坂のメテル化が相関していることがわかり、以上の結果よりCSMD1は肝癌進展における責任遺伝子であることが示唆された。以上の研究成果は2008年の米国癌学会(サンディエゴ)及び2009年にHepatology誌にて発表した。
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Research Products
(11 results)