2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化により制御される大腸がん肝転移を規定する遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
19591607
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
佐野 力 Aichi Cancer Center Research Institute, 分子腫瘍学部, 研究員 (60303632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 豊 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 室長 (00419897)
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Keywords | 大腸がん / DNAメチル化 / マイクロアレイ / 肝転移 |
Research Abstract |
DNAメチル化は、遺伝子の発現抑制を介してがんの発生・進展に関与している。本研究は大腸がんの肝転移に関わる遺伝子のうち、特にDNAメチル化により制御される遺伝子の網羅的解析を行ない、大腸がんの肝転移に関与する遺伝子の同定と、新しい肝転移診断マーカーの開発を目指した。まずDNAメチル化標的遺伝子の網羅的解析法として、(Methylated CpG island Amplification-マイクロアレー法;MCAM法)を用いて、大腸がん原発巣のDNAメチル化標的遺伝子のプロファイリングを行った。大腸がんはMCAM法によりDNAメチル化が腫瘍内に集積するCpG island methylator phenotype(CIMP)症例とCIMP陰性症例に分類可能であった。CIMP陽性症例と陰性症例では肝転移の頻度には有意な差は認めなかった。しかし、CIMP陽性・陰性症例で正常粘膜のDNAメチル化を、大腸の部位別に詳細に解析し、大腸がんの発がん過程におけるDNAメチル化の蓄積は大腸の部位によって異なる様相を呈することを見出した。すなわち近位部大腸に関与が深いCIMP陽性症例に対し、遠位部大腸ではDNAメチル化蓄積は年齢と強い相関を認め、その蓄積が発がんに関与していると考えた。次に5例の手術症例で同一患者の大腸がん原発巣と肝転移巣の組織からDNAを抽出した。これらの症例はCIMP陽性例2例、CIMP陰性例3例であった。CIMP陽性例、陰性例それぞれ肝転移巣特異的なメチル化遺伝子数は平均568遺伝子、平均147遺伝子であった。これらの遺伝子のうち複数症例で共通してメチル化した遺伝子を選択し、研究期間内に蓄積した症例を用いて肝転移巣に特異的なメチル化標的遺伝子の解析を行なう。以上の結果と臨床病理学的背景との相関から、大腸がんの肝転移に関与する遺伝子の同定と、新しい肝転移診断マーカーの開発に結びつける。
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Research Products
(3 results)