2008 Fiscal Year Annual Research Report
原発性肺癌に対するNKT細胞免疫系を用いた免疫細胞療法に関する研究
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19591609
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本橋 新一郎 Chiba University, 大学院・医学研究院, 准教授 (60345022)
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Keywords | NKT細胞 / 免疫細胞療法 / 肺癌 |
Research Abstract |
肺局所でのNKT細胞免疫系の新規評価系の確立を目指し、原発性肺癌切除標本を用いて癌組織、正常肺及び所属リンパ節でのNKT細胞免疫系の機能評価方法を確立することを目指している。原発性肺癌の診断となり、根治手術を予定された症例を対象に内在性NKT細胞を活性化することを目的としたαGalCerパルス樹状細胞投与の臨床研究を施行した。同意取得後に、NKT細胞特異的リガンドであるαGalCerをパルスした樹状細胞を手術1週間前に静脈内投与する。解析可能であった4症例に対して検討を行った。 1)切除組織におけるNKT細胞数のFACSによる解析ではTIL、非担癌正常肺組織、所属リンパ節におけるVα24+Vβ11+NKT細胞数をFACSにて解析したところ、切除組織ではTIL中に最も多くのNKT細胞の集積を認めた。またαGalCerパルスDC投与群と非投与群とを比較すると、αGalCerパルスDC投与群のTIL中において最も著明な増加を認めた。 2)切除組織中のインターフェロンγ産生能のELISPOT法による検討では切除組織中から抽出した単核球をinvitroでαGalCerにて再刺激した後のIFN-γ産生をELISPOT法を用いて定量した。その結果、αGalCerパルスDC投与後のTILにおいて、最も高いインターフェロンγ産生能を認めた。これらのことより、αGalCerパルス樹状細胞の投与により、腫瘍に浸潤するリンパ球にNKT細胞が著明に動員され、さらにそのNKT細胞は活性化していることが証明された。 3)癌組織での免疫組織学的検討では、現在、切除組織でのNKT細胞、CD4/8 T細胞、CD56' NK細胞、樹状細胞の浸潤を免疫組織学的に半定量化して評価を行っている。現在解析進行中である。
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