2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対するシミュレーション下ナビゲーション低侵襲手術に関する基礎的・総合的研究
Project/Area Number |
19591620
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小田 誠 Kanazawa University, 医学糸研究科, 准教授 (50224241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 剛 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60242492)
石川 紀彦 金沢大学, 医学系研究科, 協力研究員 (50343182)
松本 勲 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (80361989)
太田 安彦 国立病院機構, 臨床研究部, 医長 (00272964)
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Keywords | 肺癌 / 胸腔鏡下手術 / CTスキャン |
Research Abstract |
平成19年度は肺癌に対する術前のシミュレーション下ナビゲーション胸腔鏡手術に関する基礎的、臨床的研究を行い,低侵襲手術の安全性,確実性を増すと共に,教育にも役立ち,医療従事者および患者に優しい手術をめざして研究を施行した。対象は平成19年6月〜平成20年3月までに当科において手術を施行した肺癌患者93人である。肺葉切除術を施行した50例のうち,術前に16列または64列マルチスライス造影CTスキャンをもとに構成した3D画像により,肺動静脈の走行を評価した症例は46例であった。このうち肺動静脈3D画像が不良であった12例を除く34例を対象とした。高分解能CT,造影CTからの情報により,葉間の不全分葉状況,リンパ節の腫大状況を把握した。肺動静脈の走行,葉間の不全分葉について呼吸器外科専門医と呼吸器外科研修医がそれぞれ評価した。5例において,術前画像から構築された肺動静脈の走行,葉間の不全分葉,リンパ節腫大に関する情報をもとに肺癌モデルを作成しシミュレーション手術を施行したが,画像所見の情報を紙上でシミュレーションしたものと比較して実際の手術に役立つ情報はほぼ同様であり,以降は紙上でのシミュレーション手術とした。呼吸器外科専門医による肺動脈の同定率は97%(33/34),肺静脈の同定率は100%(33/34)であった。呼吸器外科研修医による肺動脈の同定率は64%(22/34),肺静脈の同定率は79%(27/34)であった。ステープルの1症例あたりの使用本数は肺動脈/肺静脈/葉間の順にシミュレーション手術では2.3個/1.2個/2.1個であったのに対して,実際の手術では2.4個/1.2個/3.6個と葉間でのステープル数に有意差を認めた。呼吸器外科専門医と呼吸器外科研修医の個別の評価を術前のカンファランスにおいて照合することにより研修医の教育に有用であった。本年度の研究結果から胸腔鏡下肺癌手術における手術の安全性,確実性および教育の観点から術前シミュレーション下ナビゲーション紙上手術の有用性が示されたものと考えられた。
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Research Products
(2 results)