2008 Fiscal Year Annual Research Report
小口径人工血管の長期開存性向上をめざした遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
19591621
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山田 就久 University of Fukui, 医学部, 助教 (00397283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井隼 彰夫 福井大学, 医学部, 教授 (70142841)
森岡 浩一 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (80210144)
高森 督 福井大学, 医学部, 助教 (80397273)
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Keywords | 遺伝子治療 / 人工血管 |
Research Abstract |
本研究は小口径人工血管の長期開存性の向上を得る遺伝子治療の開発を目的としている。 研究計画書の通り、治療用遺伝子としてヒトPD-ECGF(/hTP)、対照遺伝子としてLacZ遺伝子を用いることとした。これらを組み込んだプラスミドベクター(pCIhTP、pCILacZ)を作製し、遺伝治療に用いる為大量精製した。 人工血管はWoven Dacronグラフト(2、3、4mmノンコーティング)を(株)UBE循研に作製依頼した。更に比較対照としてePTFEグラフト(2、3mm)も用いることとした。 前年度より、New Zealand White rabbit(体重3-4kg)腹部大動脈瘤バイパスモデルを用いた評価を行った。前年度より課題であった人工血管内の全周性血栓形成に対し、術後抗凝固療法やゲルによる人工血管外周からのヘパリン投与による抑制を試みるも、血栓形成によるバイパスの閉塞を回避することは困難であった。 この為、イヌ頚動脈バイパスモデルを用いて評価を行うこととし、実験を継続させた。イヌ(ビーグルを全身麻酔下、無菌的に両側総頸動脈を剥離し、約2cm長の総頚動脈を置換した。置換した人工血管に対し、プルロニックゲルをDDSとして、プラスミドベクター(pCIhTP、pCILacZ)を投与した。 バイパス術後4週後、血管エコー検査、血流量測定及び免疫組織学検査にて評価を行った。TP投与群では対照群に比べ、吻合部周囲において新生内膜肥厚は抑制されていたが、人工血管内腔に対する両者の違いについては明らかにすることはできなかった。このことより、人工血管バイパス術で術後開存性を悪化させる吻合部狭窄においてTPは一定の効果を認めたが、人工血管腔への内皮細胞浸潤や抗血栓性などその他の因子においては、投与方法など更なる工夫が必要になると考えられた。
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