2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子キャリアを用いた吸入による新規DDSに関する研究
Project/Area Number |
19591623
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤永 卓司 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00444456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 豊史 京都大学, 医学研究科, 助教 (00452334)
板東 徹 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20293954)
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Keywords | ナノ粒子 / DDS / 肺移植 / 心停止ドナー / 吸入 |
Research Abstract |
心臓死ドナーでは、心停止後の温虚血による臓器傷害が甚大であるが、吸入による薬物投与などの手法を開発することで、傷害肺の有効利用が可能になる。しかし、すべての薬剤が吸入投与可能ではなく、心臓死ドナー肺の利用において、有効なDrug Delivery System (DDS)の開発が必要である。潜在的な肺保護薬でありながら,単独では吸入投与に向かない薬剤について,新規ナノパーティクルであるCHPをDDSキャリアとして吸入投与し,生体だけでなく心臓死後投与での動態や薬理作用の検討を行うことを考案して、実験を開始した。平成20年度は、19年度の結果に基づき、まず、in vivoでの吸入投与されたCHPの動態を再検討した。CHP,アミノ基を付加したCHP-NH2の比較では、CHP-NH2が肺にトラップされるメカニズムに大いに関与している可能性が指摘された。さらに、血中濃度の検討を経時的に検討中である。さらに、CHPで内包する薬剤の候補として、これまでの当研究グループの実験結果から、hANP, thioredoxin, heparinを候補に掲げて実験を行った。まず、hANPについては、細胞内のcGMPの維持の観点から肺保護効果を予測し、ex vivo rat肺循環回路を用いた虚血再環流実験を行った。当実験では、hANPの経静脈投与では、肺血管抵抗の低下、肺水腫予防効果などの肺保護効果を示したが、吸入投与では肺保護効果を示さなかった。そこで、CHPを用いた吸入投与を、現在検討中である。thioredoxinについても同様な検討を施行中である。さらに、heparinについては、CHPやCHP-NH2などのDDSを用いて吸入実験を行い、吸入投与後の血中濃度について、検討を行ったが、現時点では、有意な結果を得られておらず、さらなる吸入条件の検討が必要な状況である。
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Research Products
(5 results)