2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591626
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐野 由文 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60322228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 正修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20432643)
豊岡 伸一 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30397880)
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Keywords | 生体肺移植 / 急性拒絶反応 / 非侵襲的診断法 / 抗ドナー抗体 |
Research Abstract |
当該年度には、まず予備実験として、抗体などの試薬がヒトの臨床検体に反応するか否かを確認し、ほぼ予想通りの反応が見られることを確かめた。続いて現在までに採取、冷凍保存していたドナーリンパ球と、レシピエント血清を用いて、インキュベートし、抗体をつけた後洗浄を行い、フローサイトメーターにてそのIgGおよびIgM抗体価を計測した。当該年度中に数例の検体につき実際に計測、臨床データと比較検討してみたが、現在までのところ、仮説として考えていたように、臨床的急性反応に伴って抗体価の上昇が見られる場合が観察された。ただ予測していたように抗体価が上昇しない場合もあり、いくつかの問題点が明らかになってきた。ひとつは、やはり生体肺移植後生検を行っていないため、急性拒絶反応の診断があいまいになりやすいこと、抗体価の上昇が果たして液性免疫の活性化の結果であるのか、細胞性免疫反応の活性化によって抗体産生も同時に(やや遅れて)起こった結果なのかの判定が困難である点などである。この点については将来的にeffector phase(たとえばC3やC4dなどの補体)を測定する必要があると考えられた。今後測定を続けて行いさらに詳細なデーターを集めて臨床結果と照らし合わせてゆきたいと考えている。
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