2007 Fiscal Year Annual Research Report
内視鏡外科手術における非接触剛性イメージャーの開発とその臨床応用
Project/Area Number |
19591627
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮田 義浩 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50397965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 正純 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座教授 (90274068)
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Keywords | 胸腔鏡 / 触覚センサー / 肺癌 |
Research Abstract |
触診によらず、空気噴流を用いて肺表面上の硬さを感知できる非接触剛性イメージャーの開発と肺腫瘍同定法の確立、およびその臨床応用を目的とし以下の実験を行った。 【擬似肺組織を用いた実験】対象の硬さ、大きさ、深さを変化させて、センサーの検出限界を調べた。シリコンラバーとボールを用いた模擬腫瘍にセンサーを使用したところ、非接触式剛性センサーはボールの大きさ(=L)と表面からの深さ(=D)比、D/L>1以上の測定が可能で、触診と同等な感度があることが実証された。シリコン表面に対するセンサーの角度変化の影響、シリコン表面の色調変化による触覚センサーの検出限界を調べたが、通常使用の範囲内では検出に影響は認められなかった。 【ブタ肺組織を用いた実験】通常測定圧の倍の空気圧0.15MPaをブタ肺に噴射したところ、肉眼的にも組織学的にも肺胸膜、肺実質の損傷は認めず、その安全性が確認された。次いでブタ肺に大きさ(L)と深さ(D)を変えたプラスチックボールを埋め込み、センサーで走査し検出の有無を確認した。センサーは心拍動、肺血流、呼吸による胸郭の動き、術野の明るさの影響を受けずに擬似腫瘍を同定可能であった。D/L≦1の範囲では37回測定中32回(86.5%)、1<D/L≦2では94回中70回(74.5%)、2<D/Lでは100回中60回(60.0%)検出可能であった。 【ヒト肺組織を用いた実験】肺腫瘍手術症例5例の摘出肺中の腫瘍をセンサーで走査した。組織型は肺腺癌3例(BAC1例)、扁平上皮癌1例、骨肉腫転移1例で、病理学的最大腫瘍径は19.2±6.0mmであった。CT上計測したD/L値は0.01-3.3で5例とも検出可能であり、気管支等の構造物とも区別可能であった。
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