2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸感受性イオンチャンネルを標的とした脊髄保護法の開発
Project/Area Number |
19591634
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
齊川 仁子 University of the Ryukyus, 医学部附属病院, 助教 (20404569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣花 学 琉球大学, 医学部, 准教授 (20274897)
比嘉 達也 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (10404568)
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Keywords | 脊髄虚血 / 対麻痺 / 酸感受性イオンチャンネル |
Research Abstract |
ラット大動脈遮断による脊髄虚血モデルを用い、障害性長時間脊髄虚血(10分間以上)の後に誘発される脊髄障害に酸感受性イオンチャンネル(ASIC))が関与しているか否かについて検討した。 あらかじめITカテーテルを挿入したSDラットに6分間(非障害性)と10分間(障害性)の脊髄虚血を与えた。なお、偽手術(sham群)として虚血時間を0分間とした。脊髄虚血後2時間でラットを犠殺しパラフォルムアルデヒド灌流後に脊髄を摘出した。摘出した脊髄標本から組織切片を作成し、Neu N、アストロサイトに対してはGFAP、マイクログリアに対してはOX-42を一次抗体として用い、蛍光性二次抗体を用い蛍光免疫染色を行った。さらに、ASICに対しても特異的抗体を用い、蛍光二重免疫染色を施行した。 Sham群ラットの脊髄では、ASICは脊髄後角に主に存在しており、神経細胞との共在が認められた。 6分間虚血後の脊髄では、脊髄後角の神経細胞にASICが共在しており(sham群と同様)、グリアなどには認められなかった。10分間虚血後では、神経細胞が変性し、ASICも認められなかった。 脊髄虚血後のASICの局在変化を検討した結果、ASICは主に脊髄神経細胞に存在し、脊髄虚血後も脊髄神経細胞以外のグリアなどでは認められなかった。さらに、神経細胞の壊死に伴い、ASICの発現は低下する傾向がみられた。平成19年度の研究結果(大動脈遮断後に重炭酸ナトリウム投与によるアシドーシス改善とそれによる神経機能への影響)から、脊髄虚血後の運動神経機能変化に対し、ASIC遮断による運動神経機能の改善効果は少ないようだが、今後はASICの遮断薬を用いた運動神経機能への影響を検討しなければいけないと考えられた。
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Research Products
(5 results)