2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591635
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 弘行 Fukushima Medical University, 医学部, 講師 (30322340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
塩 豊 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (90433151)
樋口 光徳 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50398343)
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Keywords | 細胞周期 / 癌ワクチン / DNAワクチン / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
本研究の主たる目的は細胞周期におけるkey moleculeのひとつサイクリンB1を標的とした新たな免疫療法の開発である.具体的ステップとして,まず癌におけるサイクリンB1の発現解析とその臨床的意義の解析,引き続き,癌患者におけるサイクリンB1に対する免疫反応の有無について確認する.最終的には多価ワクチンとしてのDNAワクチンを作成し,その免疫学的効果,腫瘍学的効果をin vitro, in vivoにて確認する. 上記のステップに則り,本年度はまず,非小細胞肺癌におけるサイクリンB1の発現を詳細に検討した.ヒト癌組織における発現解析の結果,サイクリンB1の癌における発現はいくつかの臨床病理学的因子と関連し,またサイクリンB1を含む各種の細胞周期関連分子の発現解析により,臨床的に術後の再発を予測しうる可能性を示すなど興味深い所見が得られ,これまでに報告してきた.また癌患者において実際にサイクリンB1に対する免疫反応が起きているか,もしくは起きうるのかを明らかにするために,リコンビナントのサイクリンB1を作成し,これを用いて癌患者の血清中の抗サイクリンB1抗体の有無を解析した結果,肺癌患者において明かな抗体の産生を確認し,また血清中の抗体価が術後再発との関連を示唆するという知見も得られたところである. 今後これらの知見を基礎に、癌におけるサイクリンB1発現の臨床的意義の解明を進めるとともに,サイクリンB1を標的とした癌ワクチンの作成に着手する予定である.
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