2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺腫瘍に対する凍結療法の局所制御力の向上を目指した治療補助システムの構築
Project/Area Number |
19591646
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川村 雅文 Keio University, 医学部, 准教授 (70169770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90245506)
塚田 紀理 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00365280)
朝倉 啓介 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (90383786)
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Keywords | 凍結療法 / 肺がん / 凍結回数 / 凍結範囲 / 熱力学 / 低侵襲治療 / がん |
Research Abstract |
肺は大量の空気を含む臓器であるため凍結端子を中心とする凍結領域の時間的空間的拡がりについてこれまでまったく基礎データが得られていなかった。すなわち凍結を行うべき回数、融解に必要な時間についてその根拠となるデータがなかった。そこで全身麻酔科の豚肺を用いて凍結端子を中心に同心円状に4,6,8,10mmの距離に熱電対を刺入して経時的な温度変化を追跡し、正常肺における凍結時間と凍結距離、温度の関係および融解に要する時間と融解範囲の関係を明らかにした。直径2mmの端子を用いた場合1回目凍結の凍結範囲は10mmで、2回目凍結ではこれは16-20mmとなった。2回目凍結範囲の大きさは後葉肺動脈との距離に依存していた。3回目凍結範囲は2回目と変わりなく4回目、5回目凍結でも範囲の拡大は無かった。ただし3回目凍結範囲の低温熱量(融け難さ)は2回目より明らかに増加しており出血によると思われる凍結範囲中の含気量の低下が3回目までは進行していることが判った。しかしこの変化も4回目、5回目には見られず肺の凍結は凍結範囲からみれば2回で十分であるが、凍結組織内部の氷の密度から見ると3回凍結を行った方がより確実であることが示された。 近傍に太い血管があると凍結範囲が血管の方向のみならず全体的に縮小することが判った。血管の太さと距離と凍結範囲の関係を定量的に把握するために一つは動物を用いない単純化した実験モデルによる基礎データ取りが必要である。次に動物組織内で凍結中に凍結範囲を3次元的に描出する装置の工夫が必要であり、現在作成中である。
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Research Products
(5 results)