2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の転移進展に伴う細胞性免疫および液性免疫応答の解析
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19591653
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
竹之山 光広 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (10309966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30299614)
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Keywords | 肺癌 / 免疫応答 / 転移 / 腫瘍抗原 |
Research Abstract |
1)H1224L:肺腺癌株H1224L特異的CTLクローンが認識する腫瘍抗原Ribosomal protein L19(RPL19)の発現および機能解析を行った。免疫組織化学染色による解析では、非小細胞肺癌40例中12例(40%)に癌組織でのRPL19の過剰発現を認め、その他の癌組織では、乳癌10%、食道癌20%、大腸癌60%で過剰発現を認めた。RPL19の機能解析のためsiRNAを作成し、肺癌細胞株に作用させた結果、肺癌細胞の増殖抑制効果がみられ、cyclineD1,D3の抑制とp27 kipl,p16 INK4Aの増強が認められ、さらにG1期の割合の増加,S期の割合の減少が観察されたことより、cell cycleに関与することが示唆された。 2)J206L:肺大細胞内分泌癌の原発巣および皮下転移巣から樹立した細胞株J206L、J206SCを樹立し、細胞表面マーカの解析を行ったところ、HLA-class Iの発現に差異はなかったが、ICAM-1の発現は転移巣で有意に発現低下を認めた。J206LにCD80を移入し、凍結保存していた自己所属リンパ節リンパ球と共培養を行い、J206L特異的Bulk CTLを誘導した。 3)肺多形癌の原発巣(G603L)と転移巣(G603L-AD)から樹立した腫瘍細胞株に対し、反応性の違うCTL cloneの腫瘍認識機構の解析を進めるために、細胞数に限りのあるCTL cloneからTCR遺伝子をクローニングし、今後の安定した実験系に応用する目的で、T細胞受容体遺伝子(Va34,Vb5.1)のa鎖、b鎖のfull lengthのクローニングを行い、翻訳効率の高いlinkerである2AでTCRa鎖とTCRb鎖をつなぎ、PMXレトロウイルスベクターに組み込んだ。さらに、G603LよりcDNA libraryを作成し、cDNA発現クローニング法によるスクリーニングを準備している。
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Research Products
(25 results)