2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591656
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Research Institution | Department of Clinical Research National Hospital Organization, National Sanyo Hospital |
Principal Investigator |
松岡 隆久 Department of Clinical Research National Hospital Organization, National Sanyo Hospital, 呼吸器外科, 医師・研究員 (80446822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 耕一 山口大学, 医学部, 講師 (00322248)
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 准教授 (60322244)
杉 和郎 独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター(臨床研究部), 呼吸器外科, 副院長 (70241271)
八木 隆治 独立行政法人国立病院機構山口宇部医療センター(臨床研究部), 呼吸器外科, 医師 (40448296)
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Keywords | 肺気腫 / JNK / MMP / 動物モデル / 治療 |
Research Abstract |
<ヒト肺気腫組織におけるJNK依存性炎症シグナルの同定>これまでの実験で、培養肺気腫組織はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-9を分泌するが、この分泌はJNK阻害剤添加により有意に抑制され、また、炎症性サイトカインであるTNF-α刺激によるMMP-9分泌増加もJNK阻害剤により抑制されることが分かった。次に、Bioplex(Bio-Rad社)を用いて培養肺気腫組織内のMMP-9以外のサイトカイン関与を調べた。MMP-9と同様、IL-1β、IL-1ra、IL-5、GM-CSFなどのサイトカイン分泌はJNK阻害剤添加により有意に抑制され、炎症性サイトカインであるTNF-α刺激による分泌増加もJNK阻害剤添加により抑制された。これらにより、ヒト肺気腫組織におけるJNK活性は種々のサイトカイン分泌に必要であること、およびJNKは肺気腫の組織破壊に関わっている可能性があり、治療標的となり得ることが示唆された。 <マウス肺気腫モデルの作成> 気管内エラスターゼ噴霧に関して、これまでの方法では結果にばらつきがあり安定しないため、顕微鏡を使った直視下噴霧に切り替えた。この方法により、ラットの死亡率も下がり組織学的にも安定した結果が得られるようになった。 まず、予防実験として、プラセボ群とJNK阻害剤(皮下植え込み)投与群の2群に分けエラスターゼ処理を行った。JNK阻害剤投与群では、有意に肺気腫病変の形成が抑えられていることが分かった。 次に、(1)Wild-Typeマウス群、(2)JNK-1 Knock-Out(KO)マウス群、(3)JNK-2 Knock-Out(KO)マウス群の3群で各々エラスターゼ処理を行った。その結果、JNK-2 KOマウス群では、組織学的に有意に肺気腫病変の形成が抑えられていることが分かた。 このことより、JNK阻害剤投与により肺気腫形成が抑制されることおよびJNK-2が肺気腫形成に関与していることが分かった。
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