2007 Fiscal Year Annual Research Report
言語・記憶機能画像と脳電気刺激・皮膚電位活動解析による脳内ネットワークの画像化
Project/Area Number |
19591663
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鎌田 恭輔 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 特任講師 (80372374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193)
竹内 文也 北海道大学, 医学部, 准教授 (30281835)
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Keywords | 機能MRI / 脳皮質電位 / 言語 / 脳磁図 / 軸策画像 |
Research Abstract |
【目的】脳磁図(MEG),機能MRI(fMRI)をはじめとする脳機能画像の飛躍的な進歩により、言語優位半球の同定が可能になった。しかし、機能画像の活動領域局在に関する検証は十分に行われていない。本検討では言語課題による機能画像と、慢性硬膜下電極による誘発皮質電位(ECoG)による脳機能マッピングとの比較・検討を行った。【方法】難治性てんかん患者26症例にてんかん焦点同定のために慢性硬膜下電極を留置した。全例Wada testにより言語優位半球を同定した。言語機能が左、または右に強く偏位し、かつWIUS-Rによる平均IQが70以上の15症例ついて解析した。文字読み、記憶、語想起、P300課題をおこない、認知ECoG取得した。ECoGは加算平均、Wavelet法による時間周波数解析を行った。【結果】機能MRIでは、主に片側の中、または下前頭回周辺に活動を認めた。脳磁図では優位半球側内紡錘回と、上側頭回後部にダイポールの集積を認めた。ECoGは文字読み課題では紡錘回後部に200-300msecの潜時で急峻な電位変化をみとめ(100%)、優位半球上下-中前頭回に300-400msecに活動、それに引き続いて上側頭回〜縁上回に400msec以降の遅い認知反応(77%)を検出した。刺激後600msec以降に再び前頭葉と側頭葉は同時に活動していた。これらの活動部位の皮質電気刺激により言語関連機能の障害をみとめた。時間-周波数解析では、前頭葉はBeta帯域成分の脱同期、側頭葉はGamma帯域成分の同期を認めた。文字読み課題に対する前頭葉、側頭葉における活動周波数の違いがあることが明らかになった。【総括】ECoG計測は短時間に広範な脳皮質の活動状況を捉えることできた。今後は前頭葉、側頭葉内の活動部位の詳細な検討と、ECoG活動を構成している周波数成分の解析を行っていくことが重要である。また、記憶、文法課題などを併用することで前頭葉、側頭葉内活動の経時的-空間的変化を観察することが可能となる。
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