2007 Fiscal Year Annual Research Report
PET膜輸送担体機能定量法に基づいた悪性脳腫瘍のターゲット療法の開発
Project/Area Number |
19591665
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
成相 直 Tokyo Medical and Dental University, 医学部附属病院, 講師 (00228090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 喜一 (財)東京都高齢者研究福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (50143037)
松村 明 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (90241819)
|
Keywords | PET / 悪性神経膠腫 / ホウ素巾性子捕捉療法 / アミノ酸 / コリン / メチオニン / ボロノフェニルアラニン |
Research Abstract |
1)中性子捕捉療法へのFBPA-PETの応用法として、PET画像計測法からの治療時の腫瘍内硼素濃度の推定法に関しての検討を行なった。FBPA静注後一時間のダイナミックスキャンを12名の悪性グリオーマ患者に対し行い、動態解析で得られた薬剤の以降定数からルンゲクッタ法という薬物動態の推定法を用いて、ホウ素中性子捕捉療法時に行われるBPAの一時間ないし2時間持続投与により得られるBPAの腫瘍健常脳比をシミュレートした。この値とFBPA-PETの後期定性画像、および同日に行ったメチオニンPETの定性画像で得られるトレーサーの腫瘍健常脳比を比較検討した。その結果これらはいずれも有意な正の相関を持ち充分信頼できる直線近似ができることが明らかとなった。アミノ酸プローブを用いたPET撮影にてホウ素中性子捕捉療時の腫瘍組織内ホウ素濃度を推定し、適応となる患者のスクリーニングや至適値両計画の策定に用いる事ができると判断した。 2)FBPA-PETを、頭蓋底腫瘍、頭蓋骨腫瘍、悪性髄膜腫などへの応用を開始した。FBPAは頭頚部全領域の悪性腫瘍に対する有用なイメージングプローブであることが明らかとなった。これら治療前計測を治療後のPETによる効果と対比しフォローする予定であったが、本年度は原子力研究所医療照射施設の休止が長びき、治療可能となったのが予定症例より少なくなり、効果の判定に関しては次年度の継続研究が必要である。 3)脳腫瘍におけるコリン輸送担体機能の画像化とアミノ酸輸送機能との対比検討を行なった。これにより悪性脳腫瘍への応用にはアミノ酸プローブの方がより優れていることが明かとなった。
|