2008 Fiscal Year Annual Research Report
髄芽腫におけるSOX4遺伝子の発現意義と治療への応用
Project/Area Number |
19591686
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
庄野 禎久 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (00346793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 幸司 九州大学, 大学病院, 講師 (70444784)
松本 健一 九州大学, 大学病院, 共同研究員 (80423581)
天野 敏之 九州大学, 医学研究院, 助教 (70448413)
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Keywords | Sox4 / 髄芽腫 / グリオーマ / アポトーシス / 神経幹細胞 / 細胞分化 / 細胞増殖 / real time PCR |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、128例の脳腫瘍の凍結標本をreal time PCR法で解析した結果、Sox4遺伝子が髄芽腫において、他の脳腫瘍に比較して数倍以上に発現が亢進していることを確認した。また脳腫瘍の培養細胞においても、髄芽腫細胞(D283)において、他の悪性グリオーマ細胞(U87、U251、U373)に比較して、Sox4遺伝子が高発現していることを確認した。さらに悪性グリオーマの培養細胞、U87にSox4遺伝子をSox4発現プラスミドを使って導入することで、細胞増職能が増加し、細胞形態が変化することも確認した。逆に、髄芽腫培養細胞にSox4遺伝子を導入しても、その細胞増殖能や細胞形態に変化はなかった。現在までに我々は数種類の悪性神経膠腫の手術標本から、脳腫瘍幹細胞の単離、培養に成功しているが、この腫瘍幹細胞において、通常の細胞培養条件で培養された腫瘍細胞や、脳腫瘍幹細胞を分離したもとの手術標本での発現に比較して、Sox4遺伝子が数倍以上発現が亢進していることを確認した。このSox4遺伝子の発現は、CD133やNestinなどの他の腫瘍幹細胞マーカーと極めて良く相関していた。また同じ脳腫瘍幹細胞においても、その継代が進むにつれて、次第にSox4遺伝子の発現が低下していた。このことから腫瘍幹細胞の発生や維持にSox4の発現が関与している可能性が強く示唆された。そこで本年度の研究では、Sox4遺伝子の発現を抑制することで、この脳腫瘍幹細胞を標的とした治療を展開させることが可能かを、さらに検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)