2007 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系腔細胞腫における遺伝生物学的解析に基づく治療抵抗性のメカニズムの解明
Project/Area Number |
19591689
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 英夫 Kumamoto University, 医学部付属病院, 助教 (30359963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20145296)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (90381011)
荒木 令江 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (80253722)
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Keywords | 胚細胞腫 / LOH / ジャーミノーマ / C-kit / S-kit / TACE / 播種 / 動物モデル |
Research Abstract |
われわれは、本研究において中枢神経系の胚細胞腫の病態を分子生物学的に理論付けることを目的としており、遺伝学的検索として、LOH(loss of heterozygosity)の解析、ゲノムコピー数の変化の解析を共同研究で行ってきた。われわれのサンプルを使った解析では、X染色体のLOH,コピー数の変化が観察されている。これは胚細胞腫が年齢が10台に多いことや、松果体部の腫瘍は男児が多いことなどの原因になるのではないかと考えている。しかし、まだどのような遺伝子が関わっているかということに関しては絞り込めておらず、今後更なる解析が必要である。また、ジャーミノーマに関しては臨床的には治療法が確立しており、われわれの施設でも年間2-3例の症例を経験するが、すべての症例が予後良好である。これらジャーミノーマに関して高発現している。c-kit分子の制御にかんしていくつかの新しい知見を得つつあり、生物学的な意義付けをおこなっている。Matrix metalloprotainaseのひとつであるTACEという酵素がc-kitを細胞外で切断するという仮説を証明すべく、様々な培養細胞系の実験をおこなっている。C-kitが切断され、S-kitというsoluble formの分子の検出がなかなか困難でELISAを駆使して行っている。この分子がジャーミノーマの播種になんらか関わっている可能性を考えており、20年度においては、動物モデルをつかった胚細胞腫の播種モデルができないかと現在計画中である。中枢神経系の胚細胞腫の病態をできるだけ明らかにして、報告したいと考えている。
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Research Products
(7 results)