2008 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系胚細胞腫における遺伝生物学的解析に基づく治療抵抗性のメカニズムの解明
Project/Area Number |
19591689
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 英夫 Kumamoto University, 医学部付属病院, 助教 (30359963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉津 純一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20145296)
牧野 敬史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (90381011)
荒木 令江 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (80253722)
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Keywords | 胚細胞腫 / LOH / ジャーミノーマ / C-kit / S-kit / 動物モデル / TACE |
Research Abstract |
われわれの本研究における目的は、10歳台に多く発症し、またアジア人に多いとされる胚細胞腫の遺伝生物学的な特徴をとらえ、診断、治療に応用することであった。遺伝学的なアプローチとして、胚細胞腫におけるLOH(loss of heterozygosity),遺伝子増幅、ゲノムのコピー数の変化を調べ、異常が多く認められる領域を検索したところ、X染色体にLOHが認められるという傾向があり、X染色体上に胚細胞腫に関する重要な遺伝子が存在するのではと考えている。胚細胞腫は性差によってできる場所が違い、明らかに男性に多い傾向であることからも、X染色体が1本しか存在しない男性の発生率が高いということが説明できる。しかし、この説を裏付ける遺伝子の同定はまだできておらず、今後の課題である。また、ジャーミノーマにおけるC-kitの発現は、現在では非常に診断価値が高く、臨床でもよく使用されるようになってきており、c-kitの発現の意義、細胞外ドメインの切断のメカニズムなどについて培養細胞などで検証を行った。MetalloproteinaseのTACEが切断するであろうということが予想だれているが、現在更なる確証を得るための実験を行っている。今後の実験の発展として、胚細胞腫の動物モデルによる実験を構築し、分子標的薬剤を使った治療、また診断への応用を考慮している。
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Research Products
(5 results)