2007 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷に対する間葉系幹細胞移植におけるジアシルグリセロールの神経再生への関与
Project/Area Number |
19591691
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
村上 友宏 Sapporo Medical University, 医学部, 研究員 (40438007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90285007)
寳金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 神経科学 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
本研究は、脊髄損傷に対する細胞療法における神経再生のメカニズムの解明を目的とするものである。 神経再生において、その再生の先端部はGrowth cone(成長円錐)と呼ばれ、neuronal path findingに重要な役割を果たしているが、その際、成長円錐が適切なターゲットに神経突起を伸長させる為には、"filopodia"と"lamellipodia"が重要である。Diacylglycerol kinase (DGK)はDiacylglycerol (DG)をリン酸化してphosphatidic acid (PA)を生成する酵素であり、DGとPAは細胞内のsecond messengerとして幅広い機能を有する。DGKγは細胞骨格系と結合し、Cdc42のpositive effectorとして、また同時にRaclのnegative regulatorとして機能し、これらのバランスを調節することによりfilopodiaやlamellipodiaの形成を制御している。多くの細胞において、細胞刺激の初期に活性型Cdc42により糸状仮足が形成され、その後葉状仮足が形成されるという時間的な関係が認められる。Cdc42がPAKを介してRaclを活性化する活性化経路と、Cdc42がDGKγを介してRaclを制御する不活性化経路の両者のバランスがfilopodiaを維持するか、あるいは速やかにlamellipodiaの形成へ移行するかを調節している。 本研究では、DGKγが、細胞治療における脊髄神経再生においてに関与している可能性を検証することを主目的としている。本年度は、脊髄損傷モデルとして、NYUインパクターを用い、胸髄(Th10レベル)に直接損傷を加えるモデルを確立した。また、間葉系骨髄幹細胞を静脈内に投与し、効果の判定を検討した。
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