2009 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷に対する間葉系幹細胞移植におけるジアシルグリセロールの神経再生への関与
Project/Area Number |
19591691
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
村上 友宏 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (40438007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寳金 清博 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90229146)
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Keywords | 移植・再生医療 / 再生医学 / 神経科学 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
脊髄損傷モデルとして、NYUインパクターを用い、胸髄(Th10レベル)に直接損傷を加えるモデルを確立し、間葉系骨髄幹細胞を静脈内に投与すると、著名な治療効果が得られることを発見した。損傷脊髄を、動物実験用高磁場MRIを用いた画像診断学的解析と、組織学的に解析した結果、細胞移植により損傷範囲の減少と、その後に起こる空洞形成が抑制されるとことが判明した。また、行動学的解析でも治療群で運動機能の回復が顕著に認められたことより、間葉系骨髄幹細胞の静脈内投与療法は極めて有望な治療方法であると考察される。 さらに、局所のBDNF濃度が細胞移植により著名に上昇することが判明したことより、治療メカニズムにBDNFを介する神経保護作用が関与していることが判明した。 これらの細胞治療による効果は、脊髄損傷発症後の超急性期に治療した場合のみならず、1か月以上経過した慢性期に治療を行っても効果が認められたことより、"Therapeutic time window"は比較的広いことが分かった。 また、移植細胞は脊髄損傷部の局所において神経細胞やグリア細胞へと分化するばかりでなく、生き残った軸策のsproutingも促進することが判明した。これらのことから、治療メカニズムに再生作用が関与していることが判明した。そこで、治療メカニズムにDiacylglycerol kinaseが関与しているかどうか検証したが、発現量が極めて少ないため有意差は認められなかった。 以上のように、補助金は研究計画に沿って補助条件に従って、非常に有効に使用されている。
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Research Products
(3 results)