2007 Fiscal Year Annual Research Report
正常下垂体および下垂体腺腫におけAMFおよび受容体mRNA発現の意義
Project/Area Number |
19591700
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡 秀宏 Kitasato University, 医学部, 講師 (60213914)
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Keywords | pituitary adenoma / Invasion / Autocrine motility factor / Neuroleukin / VEGF / angiogenin / RT-PCR / in situ hybridization |
Research Abstract |
浸潤性下垂体腺腫は手術的に全摘出困難な場合が多く、治療上の大きな壁となっている。近年発見されたAutocrine motility factor(AMF)/Neuroleukin(NLK)は肺癌をはじめとする癌浸潤を促進させるサイトカインとして知られており、解糖系の一酵素であるphosphohexose isomerase(PHI)と相同そるものと考えられており、その受容体であるgp78のクローニングも行なわれた。癌細胞は低酸素状態では転移・浸潤能の亢進が知られておりHIF-1誘導下にVEGF,angiogenin,IL-8等の関与が報告されている。一方、AMF/NLKもPHIとして機能していることから腫瘍浸潤に関与している可能性が示唆されている。しかし、脳腫瘍、特に下垂体腺腫における浸潤とAMF/NLFおよびその受容体mRNAの役割については全く検討されていない。今回申請者は、先に報告した化学研究助成のデータを基に、海綿静脈洞等へ浸潤する下垂体腫瘍におけ、るAMF/NLKおよびその受容体であるgp78mRNA発現を検討し、下垂体腺腫の腫瘍型と浸潤能およびapoptosis制御の相違について検討した。平成19年度に下垂体腫瘍におけるAMFおよびその受容体であるgp78のRT-PCRおよびIn situ hybridizationの結果では、現在行っている16例の下垂体腺腫全例でRT-PCRにより、AMFおよびgp78のmRNA発現が認められた。一方、in situ hybridization法によるmRNA検出は下垂体腺腫型にあまり差はなく瀞およびgp78が発現した。 本年度の実験結果から、下垂体腺腫においてAMFおよびgp78はどの腫瘍型にかかわらず、発現しすることが世界で始めて確認された。来年度はさらに症例を増やすとともに、画像による浸潤性下垂体腫瘍とAMF,gp78の発現とを比較する。
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Research Products
(5 results)