2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己細胞由来の生理活性物質を利用した内在性神経幹細胞の活性化と神経再生誘導
Project/Area Number |
19591702
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
並木 淳 Keio University, 医学部, 講師 (20189195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 有未 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (50338183)
船曳 知弘 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90317256)
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Keywords | 再生医学 / 生理活性 / 脳・神経 |
Research Abstract |
血管内皮細胞が産生する生理活性物質が有する、神経幹細胞に対するniche factorとしての作用をin vitroならびにin vivoで検討し、その因子の候補蛋白質を同定した。 成体マウス骨髄単核球から血管内皮細胞の選択的培養条件にて初代培養を行い、血管内皮前駆細胞の形成を免疫組織学的に確認した。増殖因子を含有しない神経幹細胞増殖培地に交換し、血管内皮前駆細胞から分泌される可溶性蛋白質を培養上清中に採取した。胎仔マウス線条体細胞を用いたneurosphere法にて、その可溶性蛋白質を添加した培地では増殖因子の存在なしに小さなneurosphereの形成が可能で、それらの細胞のsecondary neurosphere形成率は、対照群と比較して有意に高いことが確認された。これらのことから、その因子は神経幹細胞の維持と自己複製を促進する作用を有することが示された。その因子をマウス側脳室内に浸透圧ミニポンプを用いて7日間持続投与すると、BrdUの長期投与(BrdU14日間投与ののち7日間BrdUを投与せずに生存させる)によりラベルされる側脳室周囲の神経幹細胞の数は、medium投与の対照群に比べて有意に増加していた。一方、BrdUの1回投与によりラベルされる側脳室周囲の増殖細胞の数には変化がなく、神経幹細胞のprogenyの産生には影響していなかった。以上の結果から、血管内皮前駆細胞が分泌する可溶性蛋白質は、神経幹細胞の維持と自己複製に関わるniche factorとしての性質を有していることが示された。骨髄間質細胞が分泌する液性因子と二次元電気泳動の結果を比較することにより、この因子の候補蛋白質を選択した。血管内皮前駆細胞から特異的に分泌された因子のうち、発現の高かったスポットについて質量分析を行い、候補蛋白質を同定した。
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Research Products
(2 results)