2008 Fiscal Year Annual Research Report
活性型グリオーマワクチンの開発(免疫賦活型ワクチン誘導法の検討)
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19591704
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
赤崎 安晴 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (00256322)
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Keywords | 樹状細胞 / グリオーマ / Th-1 / 免疫療法 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまで、悪性グリオーマ患者に対する自家樹状細胞と腫瘍細胞の融合細胞を用いた免疫治療に関する研究を行い、その有効性を報告してきた。しかし、現行法では融合細胞が免疫抑制型抗原提示細胞として作用する可能性が否定できないため、確実な免疫賦活型ワクチン誘導法の開発が必要不可欠である。そこで、 IL-10-siRNAを融合細胞に導入する方法を試みた。ます、樹状細胞あるいは腫瘍細胞に対しIL-10-siRNAを導入した後、両者の融合細胞を作成した。また、融合細胞を作製した直後にIL-10-siRNAを直接導入する方法も試み、定量的PCRやELISAによるIL-10・IL-12の分泌量測定や、 FACSによるCD80, CD83およびCD86等の発現率を比較検討した。実験の結果、融合細胞作製直後にsiRNAを直接導入した場合が最も効率の良いことが解り、腫瘍細胞に導入した場合がそれに続いた。 IL-10-siRNA単独導入の融合細胞ではIL-10の分泌抑制とCD80およびCD86の発現増強は得られたものの、 IL-12分泌増強は得られなかった。 double-stranded RNA (dsRNA)を用いて融合細胞を刺激したところIL-12分泌増強に加えてIL-10分泌の増加も認められた。そこで、 dsRNAにて刺激した融合細胞にsiRNAを導入し、同様の検討を行ったところ、 CD80およびCD86を高発現するIL-10低分泌・IL-12高分泌融合細胞が得られた。こうして得られたIL-10低分泌・IL-12高分泌融合細胞を用いて、リンパ球との混合培養によりCD4+T細胞を刺激したところ、コントロールに比べて著明なTh-1反応の誘導が確認された。すなわち、 dsRNAにて刺激した融合細胞にIL-10-siRNAを導入することで免疫賦活型ワクチンが確実に誘導できると考えられた。
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Research Products
(1 results)