2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫におけるMGMT遺伝子のSNP解析とその生物学的・臨床的意義の検討
Project/Area Number |
19591706
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡邉 学郎 Nihon University, 医学部, 准教授 (40287652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 崇夫 日本大学, 医学部, 助教 (20350019)
吉野 篤緒 日本大学, 医学部, 准教授 (50256848)
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
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Keywords | 神経膠腫 / MGMT / SNP / 化学療法 / テーラーメイド治療 |
Research Abstract |
MGMT遺伝子のSNPとして、5つのcodonのpolymorphismを検索した。神経膠腫では文献的にcodon84のpolymorphismが検討されてきたが、本研究では、様々な癌腫にて検出されているcodon53、143、178、および197のpolymorphismについても検索した。SNPの解析方法としては、リアルタイム定量PCRを利用する。対象は、成人大脳半球の初発神経膠腫である。内訳は、びまん性星細胞腫(WHO分類グレード2)32例、退形成性性星細胞腫(グレード3)38例、および膠芽腫(グレード4)72例の計142例の星細胞系腫瘍と、乏突起膠腫(グレード4)11例および退形成性性乏突起膠腫(グレード3)18例の計29例の乏突起膠細胞系腫瘍である(総計171例)。臨床検体としては、全症例にて腫瘍組織を使用したが、約3割の症例で血液検体においても解析可能であった。結果として、codon84のpolymorphismが20%に検出されたが、組織型(星細胞系腫瘍VS乏突起膠細胞系腫瘍)、悪性度(WHO分類のグレード)、臨床経過(画一された治療プロトコールにてプロスペクィブに治療された退形成性性星細胞腫38例と膠芽腫72例の計110例における補助療法に対する腫瘍縮小効果、非増悪無生存期間、および全生存期間)、およびその他の遺伝子異常(TP53遺伝子変異、第10染色体欠失、p14^<ARF>遺伝子の両アリル欠失と高メチル化、p15^<INK4b>遺伝子の両アリル欠失と高メチル化、p16^<INK4a>遺伝子の両アリル欠失と高アリル欠失と高メチル化、p73遺伝子の高メチル化、MGMT遺伝子の高メチル化)とに有意な関係は認められなかった。
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