2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠腫におけるMGMT遺伝子のSNP解析とその生物学的・臨床的意義の検討
Project/Area Number |
19591706
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡邉 学郎 Nihon University, 医学部, 准教授 (40287652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 崇夫 日本大学, 医学部, 助教 (20350019)
吉野 篤緒 日本大学, 医学部, 准教授 (50256848)
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
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Keywords | 神経膠腫 / MGMT / SNP / メチル化 |
Research Abstract |
Single nucleotide polymorphism(SNP)とはpolymorphismの一つで、遺伝子の変異には直接結びつかないものの、疾患の遺伝的リスクファクターと関連する可能性が示唆されている。神経膠腫患者の培養細胞株および臨床検体においてMGMT遺伝子のSNPを解析したところ、24%にcodon84のpolymorphismが認められた。しかしながら、その存在は遺伝子発現や治療感受性とは関連せず、生物学的・臨床的意義を見出すことはできなかった。そこで、MGMT遺伝子の発現を制御するメチル化について検討した。膠芽腫手術標本25例と7つの神経膠腫細胞株において、methylation-specific PCR(MSP)法にてMGMT遺伝子のメチル化を検索し、その解析結果をメチル化解析のgolden standardであるbisufite sequence法の結果と比較した。このbisufite sequence法では、プロモーター内の27個のCpG siteの塩基配列を解析し、CpG siteの50%以上のメチル化を陽性とした。MSP法によるメチル化解析結果は、false-negativeであった1例の手術検体を除き、すべてbisulfite sequence法の結果と一致した。MGMT蛋白の発現を、手術標本では免疫組織化学染色、glioma細胞株ではwestern blotting法で評価したところ、手術検体においては、蛋白発現とメチル化の関連性はみられなかったが、glioma細胞株においては、MGMT蛋白発現が消失している細胞株はいずれもメチル化陽性であった。症例数が少なく、統計学的有意差を引き出すことは出来なかったが、MSPでのメチル化陽性例の予後は明らかに良好であった。以上、MSPによるMGMTメチル化解析はルチーンに臨床応用するうえで有用かつ信憑性の高い方法である。この研究結果は2008年のlnt J Oncolに掲載されている。
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Research Products
(3 results)