2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する音響化学療法の臨床応用に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
19591711
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
福島 武雄 Fukuoka University, 医学部, 教授 (10078735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
継 仁 福岡大学, 医学部, 准教授 (80279273)
大城 真也 福岡大学, 医学部, 講師 (40309901)
小松 文成 福岡大学, 医学部, 助教 (70412591)
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Keywords | 音響化学療法 / 収束型超音波 / ラットC6グリオーマ / ラット / 実験脳腫瘍 / 5 aminolevulinic acide (5-ALA) / 音響化学活性物質 |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍はいかなる治療に対しても抵抗性で予後不良である。我々は新たな治療法として音響化学療法を開発した。ラットC6グリオーマ細胞および人グリオーマ株細胞を用いin vitroおよびin vivo(ラットおよびヌードラットで実験脳腫瘍を作成)で音響化学療法を行ってきた。音響化学活性物質としてフォトフィリンおよびローズベンガルを用い超音波の増強効果を確認することができた。今回は音響化学物質として新たに開発された5aminolevulinic acid(5-ALA)を用い、次にタラポルフィリンを計画した。5-ALAはヘムの前駆体でありプロトポルフィリンIXにより代謝され悪性神経膠腫に親和性あるため臨床応用が期待される物質である。まずラットC6グリオーマ細胞を雌Wister rat脳に移植し実験脳腫瘍を作成した。移植後1週間目に再開頭を行い硬膜表面より定位的に収束型超音波照射を行った。超音波照射条件は、基礎実験で確定した25W/cm2、5分間とし、5-ALA投与量は100mg/kgとした。コントロールとして生理食塩水を投与した。超音波照射は5-ALA投与3時間後に行った。照射後1週間後に断頭し、大脳を摘出し、冠状断に切り薄切標本を作製し組織学的に検討した。未処置群では、基底核、海馬、側脳室下角に進展する腫瘍がみられた。超音波単独群の腫瘍の長計は9.3±0.6mm、長径と短径の積は58.0±11.3mm2で、5-ALA投与群では9,0±3,6mm、40.5±17,9mm2で有意差はないものの腫瘍の縮小傾向があった。また5-ALA投与後超音波照射群では、腫瘍内に空洞化がみられた症例があった。C6グリオーマに集積した5-ALAと超音波の相乗効果を示唆する所見と考えられた。今後超音波照射後の観察および生存日数の検討も行う必要がある。
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Research Products
(3 results)