2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨リモデリングにおけるBMPとビスホスフォネートの協調作用効果の解析
Project/Area Number |
19591724
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
片岡 晶志 Oita University, 医学部, 准教授 (40301379)
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Keywords | BMP / ビスホスフォネート / ボーンチャンバー / bone ingrowth length / 骨密度 |
Research Abstract |
【目的】ラットチャンバーモデルにおける移植骨の病理組織学検討と、組織形態計測による検討 【方法】24匹のラットを屠殺後、両脛骨骨髄内より移植骨を採取し,-80℃に24時間以上保存した.全身麻酔下,24匹のラット両脛骨内側に移植骨を中に入れたボーンチャンバー(BC)を挿入した(BCの先端は骨髄と交通している).移植骨には一側のみBMP-7(2μ-g)を投与し,反対側はsalineを投与した(B(+)群・B(-)群).手術2週後12匹のラットにZoledronic acid(ZA)(0.1mg/kg)を皮下投与し,残りの半数はsalineを皮下投与した(ZA(+)群・ZA(-)群).手術6週後にBCを摘出し,移植骨の病理組織学的検討と組織形態計測による移植骨内のbone ingrowth length(BIL)を検討した.またbone ingrowth内の骨密度はMerz grid法により検討した. 【結果】BILに関しては,B(-)ZA(-)群2.0mm,B(+)ZA(-)群3.1mm,B(-)ZA(+)群2.7mm,B(+)ZA(+)群3.6mmでありB(-)ZA(-)群とB(+)ZA(-)群間で有意差を認めた.またbone ingrowthにおけるZAのnegativeな効果は認められなかった。骨密度の検討ではB(-)ZA(-)群11.1%,B(+)ZA(-)群11.8%,B(-)ZA(+)群34.8%,B(+)ZA(+)群32.2%でありZAの投与の有無で有意差を認めた. 【考察と結論】BMP-7の骨吸収・リモデリングの作用と2週後に投与したZAの骨吸収抑制作用が協調するメカニズムが考えられた。骨壊死症は進行すると圧潰をきたす.骨細胞の死そのものが圧潰の原因ではなく,骨再生過程におこる骨吸収の結果であり,十分な新生骨が形成せるまで骨吸収を抑制できれば圧潰は回避できると推測される.最近,大腿骨頭壊死症に対するビスホスフォネートによる保存的治療が報告されているが,BMP-7とビスホスフォネートを組み合わせることにより,さらに効果的になる可能性がある.
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