2008 Fiscal Year Annual Research Report
腰部神経根性疼痛に対するアシアロエリスロポエチンの効果に関する研究
Project/Area Number |
19591727
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
菊地 臣一 Fukushima Medical University, 医学部, 学長 (80045773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺野 慎一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70254018)
関口 美穂 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00381400)
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Keywords | アシアロエリスロポエチ / 後根神経節 / 髄核 / p-38 |
Research Abstract |
ラット髄核留置(NP)モデルを用いて、アシアロエリスロポエチン(Epo)が神経保護作用を有するか否かについて検討を行った。実験系はNPモデルに、未投与のNP (-)群、Epoを投与するNP-Epo (+)群、Epoに溶媒を投与するNP-Veh群とsham群の4群を設定した。行動学的検討では、NP (-)群とNP-Veh群では、疼痛閾値の低下が術後28日間持続し、sham群と比較して有意に低下した。NP-Epo (+)群では、術後14日以降に疼痛閾値が上昇し、術後28日間には、未治療のNP (-)群と比較して有意に閾値が回復した(p<0.05)。また、組織学的検討では、神経損傷マーカーであるATF-3の発現を比較した。NP-Epo (+)群にて、術後7日、14日と28日目で、NP (-)群と比較してATF-3の発現が抑制された(p<0.05)。我々は、NPモデルにてのサイトカインの発現について報告した(Tachihara H, et al, Spine33,2008)。サイトカインの刺激によりp-38が活性化され、アポトースに関与することが知られている。今回は、活性化されたp-38をウエスタンブロット法にて発現をEpo投与の有無による相違を検討した。NP-Epo (+)群では、未治療のNP (-)群と比較して有意にリン酸化p-38の発現量が少なく、リン酸化が抑制された(p<0.05)。以上のことから、腰椎椎間板ヘルニアに類似したラット髄核留置モデルを用いて、Epoはリン酸化p-38の発現を抑制し、神経損傷の程度は未治療群に比較して弱く、早期に疼痛閾値が回復することが明らかになった。本研究の結果から、腰椎椎間板ヘルニアの治療薬として期待できる。
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