2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨・軟骨再生医療に向けた高分子の自己組織化による再生医療用ナノ構造材料の創製
Project/Area Number |
19591738
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
遊道 和雄 St.Marianna University School of Medicine, 難病治療研究センター, 准教授 (60272928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増子 佳世 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80288208)
加藤 智啓 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (80233807)
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Keywords | 関節軟骨 / 人工軟骨 / 再生医療 / 細胞老化 / 幹細胞 |
Research Abstract |
我々は、様々な骨・関節疾患領域における再生医療の問題点を克服して、臨床応用に資する高機能な再生医療用ハイブリットバイオマテリアルを短時間(数時間〜数日)で創製するため、骨や軟骨細胞などの細胞資源を用いずにナノメートルオーダーで自己組織化機構を階層的に制御した高分子自己組織化複合体材料[自家骨・軟骨と同等の微細構造(ナノコンポジット構造)]を作成する技術を開発中である。 平成19年度において、自己組織化技術を用いた軟骨様組織を創製する具体的な方法、条件をin vitroで検討して数種類確立した。これにより、軟骨基質の主要成分であるヒアルロン酸、プロテオグリカン(アグリカン)及びII型コラーゲン、ほか数種類の細胞外マトリックス高分子を特定条件下で反応させることで細線維からなる人工軟骨(II型コラーゲン多糖類複合体)を自己組織化させることに成功した。そこで、作製条件によって異なるナノメートルオーダーで自己組織化機構を制御した複合体材料と自家軟骨の微細構造(ナノコンポジット構造)の組織学的な比較検討を行っている。これにより、形成させた自己組織化コラーゲン多糖類複合体を基礎にして、より緻密な軟骨様組織を作製する技術を探索している。 現状、軟骨部の弾性0..3GPa、摩擦係数1/300〜500の性能を得ており、これを生体関節軟骨レベルの0..5GPa、1/1000へ向上させるため、軟骨表面の磨耗試験を繰り返し行い、磨耗耐久度をヒト軟骨表面レベルに向上させる検討を行っている。
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