2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨転移特異的タンパク質の逆翻訳によるゲノム解析
Project/Area Number |
19591741
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
津留 美智代 久留米大学, 医学部, 助教 (90368887)
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Keywords | がん転移 / タンパク質 / 立体構造 / 創薬 / 予防 |
Research Abstract |
がん患者追跡期間1994年から2004年、日本人47名、欧米5名のがん患者のインフォームドコンセント後、FDA(Food and Drug Administration)バリデーションフリーザーワークスにより匿名化した、後ろ向き調査研究を行った結果、血液中から、がん骨転移特異的なタンパク質を発見した。臨床的には、このタンパク質は、骨シンチグラフィーによる骨転移確定診断前に血液中に存在し、化学療法、放射線療法開始とともに、減少していく経過を呈する。また、このタンパク質の前向き調査研究の結果、原発癌摘出した根治後、血液中に存在し、徐々に増加を示し、PET-CTによる骨転移部位確定後、重粒子線治療による治療が期待された。 目的ピークのフラクション溶液をトリプシン消化を行い、LC-MS-MS解析を供した。同消化液のMS/MSイオンシグナルを収集し、データベースによる同定されたアミノ酸の特定位置から逆翻訳による遺伝子の解析を行い、塩基配列を確定した。同時にターゲット全アミノ酸解析を行い、立体構造解析を行った。このターゲットタンパク質の立体構造の解析の結果、抗体医薬品への合成が期待できたため、ウサギに免疫し、抗体を作製した。抗原ペプチドをマウスの尾静脈から癌細胞を移植し、CTにて全身転移を確認したが、抗体を投与したマウスでは、がんの発症が抑えられていたことで、我々が発見したターゲットタンパク質は、新たながん転移抑制剤となる期待ができた。
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