2008 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子・タンパク質発現解析による悪性骨軟部腫瘍バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
19591743
|
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
川井 章 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 研究所, 研究員 (90252965)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 格 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), プロテオーム・バイオインフォマティクス・プロジェクト, プロジェクトリーダー (30284061)
市川 仁 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 腫瘍発現解析プロジェクト, プロジェクトリーダー (30201924)
|
Keywords | 悪性骨軟部腫瘍 / バイオマーカー / 網羅的発現解析 / 遺伝子 / タンパク質 |
Research Abstract |
本研究は、悪性骨軟部腫瘍の治療成績向上の要である腫瘍の化学療法感受性、局所進展様式、遠隔転移能、また最終的な予後に関して、これらを規定している遺伝子・タンパク質(群)を網羅的遺伝子・タンパク質発現解析の手法を用いて明らかにすること、これら遺伝子・タンパク質(群)を骨軟部腫瘍における新たなバイマーカーとしたオーダーメイド医療、分子標的とした新たな治療法の可能性を探ることを目的としている。 平成20年度は、まず、GISTの新たな予後予測因子として我々が見出したタンパク質(フェチン)のバイオマーカーとしての普遍的な有用性を検証するために、国立がんセンター以外の国内他施設で治療(切除術)が行なわれた症例について、免疫染色によるフェチンの発現と患者予後との相関について検討した。その結果、フェチン高発現の症例の予後はそうでないものに比べて有意に良好であることが他施設の症例においても示された。一方、他の骨軟部腫瘍における新たなバイオマーカー開発では、ユーイング肉腫における新たな予後予測マーカーとしてnucleophosminを見出した。Nucleophosminは、蛍光二次元電気泳動法(2D-DIGE)にて検出されたユーイング肉腫のタンパク質2,364スポットの中からその予後と相関するスポットとして抽出された66スポット(53遺伝子産物)中に含まれ、nucleophosmin高発現のユーイング肉腫はそうでないものに比べて有意(p<0.01)に予後不良であった。その他、二相性滑膜肉腫において比較的特異的に高発現しているタンパク質としてglutathione S-transferase Pを同定した。
|
Research Products
(5 results)