2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫転移予防としての血管新生抑制および抗体療法の開発
Project/Area Number |
19591744
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
杉浦 英志 Aichi Cancer Center Research Institute, 分子病態学部, 研究員 (50303615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 修 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 室長 (00142167)
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Keywords | 骨肉腫 / 転移抑制 / 血管新生抑制 / Angiotensin type1 / Candesartan / 抗体療法 / CD25 / PC61 |
Research Abstract |
肺転移を好発するマウス骨肉腫LM8を用いて、アンギオテンシンIIによる血管収縮を抑制するAngiotensinIIreceptor antagonist(Candesartan(CV-11974))の効果を評価した。CV11974の投与濃度を3種類用意し、コントロール群とあわせて4群の治療開始後28日目の皮下腫瘍の重量および肺転移コロニー数を計測し比較した。その結果、皮下腫瘍重量に関しては、治療群の方が抑制されている傾向が認められた。一方、肺転移コロニー数に関しては、コントロール群では平均30個であったのに対し、candesartan投与群においては平均10個程度であり、治療群の方が転移コロニーが少ないという結果が得られた。また、剖検したマウスの腫瘍の抗AT1R・抗VEGF抗体による免疫染色標本においてAT1Rは陽性と判断され、さらにVEGFの発現はCandesartan投与群の方が減少していた。これらの結果よりAngiotensinIIreceptorを介して、AngiotensinII receptor antagonistであるCandesartanが新生血管抑制に関与し、腫瘍の増殖や転移の抑制につながったものと考えられた。 次に抗体療法としてマウスのIL-2Rα(CD25)に対する抗体(PC61)をマウス骨肉腫(LM8)に投与し、腫瘍細胞の増殖や遠隔転移の抑制効果を検討した。腫瘍移植後28日目のマウスを用いて、PC61投与による移植したLM8の成長抑制効果を検討したところ、腫瘍の大きさはコントロール群よりPC61投与群において明らかに小さいことが確認され、腫瘍の増殖抑制に関与していた。遠隔転移に関する抑制効果やCD4+CD25+T cellに対する評価が必要であるが、これらの結果については現在検討中である。
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Research Products
(4 results)