2007 Fiscal Year Annual Research Report
磨耗粉により生じるオステオライシスにおけるMIFの関与とDNAワクチンによる制御
Project/Area Number |
19591746
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 伸 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (00359481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 芳一 北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (90186841)
入江 一元 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (70223352)
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Keywords | マクロファージ遊走阻止因子 / 骨吸収 / 骨溶解 |
Research Abstract |
1)マクロファージ遊走阻止因子(MIF)を標的とした能動的抗体療法を目指し、MIF-DNAワクチン(MIF-DV)を開発した。コントロールワクチン(CV)としてプラスミド単独を用いた。これらを生後3週令BALB/cマウス♀に遺伝子導入し、DV群にて抗MIF抗体価上昇を確認後、生後8週令にて卵巣摘出(OVX)ないしはsham手術を施行し、CV-sham群、CV-OVX群、MIF DV-sham群、MIF DV-OVX群の4群に分け、手術後4週にて屠殺しμCTによる海綿骨量計測および骨形態計測を施行した。CV導入群では正常マウス同様OVXにより海綿骨量低下および破骨細胞面・数の増加を示し高回転型骨粗鬆症の所見を呈したが、MIF-DV導入群では海面骨量低下および破骨細胞面・数増加を生じず骨粗鬆症化が回避された。MIF-DV導入は閉経後骨粗鬆症の予防法としての可能性があることが示唆された。(Vaccine) 2)人工関節置換術後に生じるインプラント周囲骨溶解(オステオライシス)におけるMIFの役割を検討した。12週令野生型マウス(WT、 BALB/c♀)ないしはMIFノックアウトマウス(MIF KO)頭頂骨上にチタン粉を埋植して7日後に頭頂骨を摘出し組織学的・骨形態計測的検討を行った。WTでは骨とチタン粉との界面に肉芽腫性瘢痕組織が形成され、多数のTRAP陽性細胞が出現したが、MIF KOではTRAP陽性細胞数が有意に少なかった。また単位面積あたりの骨吸収面・破骨細胞数・および破骨細胞面を比較したところ、いずれもWTに比べMIF-KOでは有意に低値であった。さらに摘出頭頂骨をリアルタイムPCRにて解析したところ、IL-1βおよびRANKL mRNA発現はMIF-KOはWTに比べ有意に低かった。以上よりMIFは異物磨耗粉により誘導される骨吸収において重要な役割を果たすことが示された。(投稿準備中)。
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