2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内骨格改変による骨成長と骨折仮骨成熟の制御-ケモカインSDF-1の関与-
Project/Area Number |
19591756
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 宣 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (70397537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 直樹 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80303816)
田代 啓 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10263097)
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Keywords | 骨折 / 成長軟骨 / ケモカイン / 細胞内骨格 |
Research Abstract |
1、5週齢のICRマウスの第8肋骨にはさみで骨折を作成した。この骨折部を含む4X4mm大の組織を経時的に採取し、この組織片を液体窒素で凍結し、homogenizerで粉々にしてRNAを抽出した。このRNAを用いてRT-PCRを行い、骨折治癒の過程で発現するSDF-1およびそのreceptorであるCXCR4のmRNA発現量を定量したところ、CXCR4は恒常的に発現していたのに対し、SDF-1は骨折とともに発現が上昇し、骨折後7ないし10日で発現のピークを迎えた。これを軟骨分化のマーカー遺伝子であるcol II, col Xなどと比較したところ、骨折化骨において軟骨が肥大化を起こす時期とほぼ一致して発現が上昇することがわかった。また採取した組織をパラフィン包埋し、SDF-1およびCXCR4のタンパク発現を免疫染色したところ、発現部位は前肥大化層から肥大化軟骨層であることを組織学的に確認した。 2、妊娠15.5日めのICRマウスから胎仔を採取し、脛骨を取り出した。軟骨膜、骨膜を含む周囲組織を顕微鏡下に切除した。骨化している部分を除く軟骨部分を採取し、コラーゲン処理にて軟骨片から軟骨細胞を単離、単層培養した。これにrecombinant SDF-1およびSDF-1の受容体CXCR4の特異的阻害薬4F-Benzoyl-TN14003を加えたところ、recombinant SDF-1によって軟骨細胞内のactinはpolymerilizationが促進されることがわかった。そしてこれをCXCR4の特異的阻害薬4F-Benzoyl-TN14003が阻害することがわかった。
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