2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591762
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
升野 博志 Ehime Prefectural University of Health Science, 保健科学部, 准教授 (20116974)
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Keywords | 4-tert-オクチルフェノール / 大腿骨 / 末梢型コンピュータ断層法 / 骨幹部 / 横径成長 / マウス / 妊娠期間・授乳期間の曝露 |
Research Abstract |
本年度は,4-tert-オクチルフェノール(OP)が骨形成を阻害するかどうかを明らかにするために,妊娠10日目から授乳期間中は母親マウスに1μg/ml(低用量群)あるいは10μg/ml OP (高用量群)を含む水を自由摂取させた。離乳後は仔マウスに同じ濃度のOP水を自由摂取させた。生後31日目にエーテル麻酔下で屠殺した。血中オステオカルシン濃度は低用量群,高用量群共に雌性マウスのみに有意な低下を認めたので,雌性マウスの右大腿骨を取り出し,骨幹部(成長板から5.5mm離れた部位)及び骨幹端部(遠位成長板から1.4mm離れた部位)を末梢型コンピュータ断層法(pQCT)で解析した。低用量群の骨幹部の骨外膜周囲長及び骨内膜周囲長は,対象群(0.2%エタノールを含む水を自由摂取させた群)に比べてそれぞれ4%及び6%短かったが,高用量群と対象群との間には違いが認められなかった。x軸骨強度指数(xSSI),y軸骨強度指数(ySSI)及び極骨強度指数(pSSI)は,有意差は認められないものの低用量群で低値を示した。骨外膜周囲長とxSSI,ySSI及びpSSIは正の相関を示した。骨内膜周囲長はySSIのみと正の相関を示した。皮質骨骨密度,皮質骨骨面積および皮質骨幅は3群の間に違いは認められなかった。骨幹端部では,高用量群のみで総骨密度の有意な増加と海綿骨領域骨面積及びxSSIの有意な低下を認めた。ホルマリン固定・脱灰・パラフィン包埋した左大腿骨の成長板から5.5mmの部位の薄切切片を用いてアルカリホスファターゼ(ALP)の免疫組織染色を行ったところ,低用量群の骨外膜表面のALP陽性細胞数は,対象群に比べて著しく減少していた。本研究の結果は,雌性マウスを胎生期及び授乳期にOPに曝露させると,大腿骨骨幹部の横径成長が阻害されるということを示している。
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Research Products
(1 results)