2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591768
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川村 孝一郎 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (80408533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桃原 茂樹 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (00190984)
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Keywords | 変形性関節症 / ヒト間葉系幹細胞 / 骨軟骨損傷 / モザイク形成術 / 分層組織培養 / 軟骨産生能 / 骨産生能 |
Research Abstract |
間葉系幹細胞を使用し、骨組織・軟骨組織を同時に誘導し、骨軟骨層をIn vitroで作成することが基本的な目標である。そこでまず当施設で施行した人工関節手術を受けた患者(変形性関節症、関節リウマチの患者)に対して、東京女子医科大学倫理委員会の承認と患者の研究に対する承諾書を受けた後に、手術時に排泄される骨髄液を採取した。当センターの特殊性で、人工関節手術を受けられる患者の比率は変形性関節症よりも関節リウマチ患者の方が多いため、我々の研究も関節リウマチ患者の間葉系幹細胞を使用するケースが多いと考えた。実際、変形性関節症の間葉系幹細胞と、関節リウマチ患者の間葉系幹細胞の活動性や潜在性多分化能が同等かどうかは報告がないため、第一段階として、両疾患の間葉系幹細胞の活動性や増殖能、そして潜在的多分化能を比較検討する必要があった。そこで、採取した骨髄液を既存のプロトコールにより間葉系幹細胞を単離し、拡大培養を試みた。拡大培養を施行後に得られた間葉系幹細胞が、通常の機能を有しているかどうかを調べるために、その多分化潜在能(骨産生能・軟骨産生能・脂肪産生能)を誘導した。誘導した細胞は各分化により算出された特異的なタンパク産生を特殊染色で検証した。また遺伝子レベルでのタンパク産生の評価として、それぞれのタンパクのmRNAの産生をRT-PCRにて検証した。増殖能は健常のヒト間葉系幹細胞と比較して、変形性関節症は増殖能・多分化能は遜色ないと思われた。しかし関節リウマチの間葉系幹細胞は分化誘導は認められるが、増殖や分化の程度は変形性関節症のそれに比べ劣る傾向が認められた。
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