2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺虚血再潅流障害における吸入麻酔薬の肺保護効果に関する研究
Project/Area Number |
19591775
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
安部 恭子 Akita University, 医学部, 助教 (30311575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 剛 秋田大学, 医学部, 准教授 (70221570)
真崎 容子 秋田大学, 医学部, 助教 (30125744)
西川 俊昭 秋田大学, 医学部, 教授 (50156048)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / 肺虚血再灌流障害 |
Research Abstract |
[対象と方法]Sprague-Dawleyラット(300-350g)36匹を虚血再灌流(IR)群、虚血再灌流-イソフルラン投与(IR-I)群、虚血再灌流-イソフルラン-GLB(glybenclamide : 非選択性K_ATPチャネルブロッカー)(IR-I-GLB)群の3群に分けた。ペントバルビタール腹腔内投与下に気管切開し、人工呼吸したヘパリン投与後、右心室を通して主肺動脈に送血用、左心室に脱血用のカニューレを留置し肺を灌流した。心臓・肺・縦隔組織を一塊にして摘出し、トランスデューサーに接続した秤に吊るした。(肺は37℃に設定された加湿チンバー内に吊るした。)灌流液で肺の血液をフラッシュした後、灌流した。30分間の灌流で定常状態においたあと、測定を開始した。1)肺動脈圧、肺静脈圧、灌流量の測定、2)濾過係数の測定を行った。その後、肺の流と換気を60分間停止することで虚血状態にし、その後60分間灌流・呼吸を行った。イソフルラン投与群では、イソフルランを30分間1MAC投与した後、虚血再灌流を行った。K_ATPチャネル拮抗薬を投与する群では、イソフルラン投与5分前に灌流に投与した。 [結果]sarcolemmal K_ATPチャネルブロッカーは発売中止となり使用できなかったため、非選択性K_ATPチャネルブロッカーであるGlybenclamideを用いて行った。肺動脈圧、肺静脈圧、灌流量の変化は各群間に差はみられなかった。濾過係数は3群とも再還流後に上昇した。再流60分後、IR-I群ではIR群、IR-1-GLB群に比べ低い傾向が見られた。(IR-I群 : 2.17±0.76、IR群 : 28.62±23.82、IR-I-GLB : 5.10±4.28) [結語]イソフルラン1MACの投与は、肺の虚血再灌流障害に対する保護作用を有し、それはK_ATPチャネルによる可能性が示唆ざれた。
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