2009 Fiscal Year Annual Research Report
エバネッセント蛍光を利用した血中微量物質定量法の開発
Project/Area Number |
19591785
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
土井 松幸 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部附属病院, 講師 (10155616)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 准教授 (60144094)
宮川 厚夫 静岡大学, 工学部, 学術研究員 (10283376)
|
Keywords | 光テクノロジー / 血管内カテーテル / 血中濃度測定 |
Research Abstract |
エバネッセント蛍光を応用して血液内物質定量法が臨床使用可能な技術に発展させることを目的として以下の研究を実施した。 (1)エバネッセント蛍光測定法に適した血液内物質の検索 エバネッセント顕微鏡を用いて,エバネッセント蛍光を検出する条件を検討した。静脈麻酔薬であるプロポフォールは280nmの励起光で310nmの蛍光を発し,ビタミンB2であるフラビタンは,450nmの励起光で530nmの蛍光を発することを確認した。またインドシアニングリーンは766nmの赤外光で励起すると,830nmを最強点とする赤外線のエバネッセント蛍光を発した。いずれの物質も水溶液ではエバネッセント蛍光の検出が可能であったが,血漿中,血液中の条件では検出できなかった。またグルコースの蛍光検出を試みたが,280nmから1000nmの波長の励起光では蛍光を検出できず,グルコースを蛍光にて直接検出することは困難との結論に達した。 (2)エバネッセント蛍光測定用血管内カテーテルの開発 エバネッセント蛍光測定用血管内カテーテルは,検出対象物質が蛍光を発するのに必要な励起光をエバネッセント光として供給することが可能で,かつ発生した蛍光をコア内に取り入れ検出器まで伝達できるデザインが必要である。この条件を満たす形状のプロトタイプモデルを試作した。フラビタン水溶液にプロトタイプモデルを浸けて,450nm波長の30mW半導体レーザー光を励起光として供給する実験系を作成した。プロトタイプモデルの表面に530nmの蛍光が発生していることを観察できたが,コアから蛍光を検出することはできなかった。蛍光強度が微弱であるので,モデルの改良と検出器の感度増強が必要との結論に達した。
|