2007 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素誘導性因子1を介した生体内酸素代謝維持機構への周術期使用薬剤の影響の検討
Project/Area Number |
19591789
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高淵 聡史 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (90402841)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 喜一 京都大学, 医学研究科, 講師 (00283606)
|
Keywords | 臓器保護 / 代謝 / 低酸素 / 転写因子 / ストレス |
Research Abstract |
麻酔技術を駆使して手術侵襲を受ける生体のホメオスターシス、とくに細胞レベルにおける酸素需給バランス、すなわちエネルギー需給バランスの周術期使用薬剤による影響を検討して周術期における患者管理の質の向上に役立つ知見を得る事が本研究の目的であった。先に提出済の実験計画に基づき、平成19年度は以下の実験を遂行し知見を得た。#1in vitro細胞酸素消費測定系の確立 クラーク電極を用いた酸素分圧測定を使い、培養細胞の酸素消費量を測定する実験系を確立した。 各種のミトコンドリア電子伝達系の阻害薬を用いた検討により細胞の種類により酸素消費量のミトコンドリアへの依存率に差がある事が判明した。 同時に、細胞内ATP濃度、細胞培養上清中の乳酸・ピルビン酸の濃度の測定系を確立した。 #2 解糖系酵素群の発現測定法の確立 Lactate dehydrogenase A (LDHA), pyruvate dehydrogenase (PDH), PDH kinase 1の発現をmRNAレベルと蛋白質レベルで評価する実験系を確立した。 #3 樹立細胞株を用いた検討により、サイアミラール、チオペンタールを含むバルビツレートがhypoxia-inducible factor 1 (HIF-1;低酸素誘導性因子1)の活性を常酸素分圧下、低酸素分圧かで阻害する事を見いだした。一方、ケタミン、ミダゾラムなどはHIF-1活性に有意な影響を与えない事も見いだした。
|