2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛モデルにおけるセロトニン受容体(5HT-2C)のRNA編集の効果
Project/Area Number |
19591791
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高階 雅紀 Osaka University, 医学部附属病院, 助教 (30221352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩平 哲 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (90243229)
中江 文 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60379170)
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Keywords | RNA編集 / 脊髄坐滅モデル / 神経因性疼痛 / セロトニン2C受容体 |
Research Abstract |
本研究の目的はセロトニン2C受容体のRNA編集が脊髄坐滅モデルにおこる神経因性疼痛に対しどのような役割を担っているかを明らかにすることであった。 今回我々は脊髄座滅モデルラット、シャム手術を行ったラット、手術を行わないナイーブラットおのおの5匹に対し、脊髄を坐滅部(またはそこに相当する部分)、坐滅部より頭側、尾側の3箇所に分けてサンプルを取り出し、その部位における、セロトニン2C受容体の発現定量を行い、さらにRNA編集の割合を分析した。 その結果、セロトニン2C受容体の発現は尾側のモデルサンプルで抑制され、その編集割合にはほとんど変化が見られなかった。さらに、障害部位、又はそこに相当する部分のサンプルにおいては、セロトニン2C受容体の発現定量では有意差が見られなかったが、セロトニンに対する親和性の高い編集パターンが増え、親和性の低いパターンが減ると言う結果が得られた。このことから脊髄坐滅モデルにおいて、障害部位の尾側における神経因性疼痛には、セロトニン2C受容体そのもののダウンレギュレーションが、障害部位に相当する部位の痛みに対してはセロトニン2C受容体のRNA編集がかかわっていることが可能性として考えられた。また、セロトニン系は下行性抑制系を介して鎮痛作用を持つことが考えられることから、今回得られた結果はadaptation mechanismが起こった結果生じていると考察された。以上の結果をNeuroscience Researchに投稿し受理された。
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