2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミクログリアより放出の脳由来神経栄養因子エクソン合成阻害による鎮痛法の開発
Project/Area Number |
19591794
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横山 正尚 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (20158380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板野 義太郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30127542)
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Keywords | 脳由来神経栄養因子 / 難治性疼痛 / 遺伝子治療 / ノックダウン |
Research Abstract |
前年までの研究で神経因性疼痛ラット(L5脊髄神経結紮モデル: L5SNL)において、L4後根神経節で全BDNF mRNAの著明な増加を認め、その主体を占めるのはエクソン-1mRNAであることが明らかとなった。さらに炎症性疼痛モデル(CFA投与ラット)でも、同様にBDNFエクソン-1が増加の主体を占めている事が明らかとなった。 そこで、BDNFエクソン-1の合成を阻害する事で、疼痛モデルにおいて鎮痛効果が得られるかを検討した。合成阻害の候補としてsiRNAおよびDNAデコイを作成することとした。まず、当該年度ではsiRNAより着手するため、BDNFエクソン-1に対するsiRNAを作成した。 ラットのクモ膜下にカテーテルを挿入し、siRNAを前もって導入した群とコントロール群を作成した。それぞれの群に対して、CFAを投与して炎症痛を惹起させ、疼痛行動を評価した。その結果、残念ながらBDNFエクソン-1に対するsiRNAのクモ膜下投与は炎症性疼痛に対しては鎮痛効果を示さなかった。 次に慢性疼痛モデルとしてL5SNLを作成して、BDNFエクソン-1に対するsiRNAの鎮痛効果を炎症疼痛と同様に検討した。慢性疼痛に対しても、コントロール群に対してsiRNAの投与群は有意な鎮痛効果は認められなかった。そこで、BDNFエクソン-1に対するDNAデコイの作成を目指すこととした。
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