2007 Fiscal Year Annual Research Report
気道平滑筋の収縮・弛緩機構の解明:β遮断薬とRhoキナーゼ経路の関係
Project/Area Number |
19591804
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 治 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (80136671)
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Keywords | 気道平滑筋 / ベータ遮断薬 / Rhoキナーゼ / PIレスポンス / ファスジル |
Research Abstract |
選択的ベータ1遮断薬であるランジオロールは、瀕脈性不整脈、高血圧、急性の心筋虚血などの治療に用いられているが、気道平滑筋に対する作用は十分解明されていはいない。一方、Rhoキナーゼ阻害薬のファスジルは平滑筋のRhoキナーゼを阻害することにより平滑筋を弛緩させる。今回、ラットを用い、ランジオロールの気管平滑筋に対する作用とその作用に対するファスジルの影響について調べた。方法:雄性ウイスターラット(250-350g)30匹を対象とした。気管を幅3mmのリングに切断し、酸素95%二酸化炭素5%で通気したK-H液中で1.0gの静止張力を与えたのち、(1)ランジオロールを0から1000microMまで段階的に投与し張力を測定した。(2)最大下のランジオロール(700microM)を投与し、その後、イソプロテレノール、ファスジル、4-DAMP(ムスカリンM_3受容体拮抗薬)、ニカルジピンまたはクロマカリムを段階的に0から100microM投与し張力を測定した。結果:ランジオロールは高濃度で濃度依存性にラット気管平滑筋を収縮させた。ランジオロールによる収縮は、イソプロテレノール、ファスジルによって完全に抑制されたのに対して、クロマカリムでは最大60%の低下、4-DAMPとニカルジピンでは抑制されなかった。結論:ランジオロールによる気道平滑筋の収縮には、一部はRhoキナーゼ経路の関与が示唆される。
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