2008 Fiscal Year Annual Research Report
気道平滑筋の収縮・弛緩機構の解明:β遮断薬とRhoキナーゼ経路の関係
Project/Area Number |
19591804
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 治 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (80136671)
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Keywords | 気道平滑筋 / β遮断薬 / アスジル / Rhoキナーゼ |
Research Abstract |
Rhoキナーゼを阻害し、ミオシンボスファターゼの活性抑制を解除し、その結果ミオシン軽鎖のリン酸化を減少させることにより平滑筋を弛緩させるRhoキナーゼ阻害薬のファスジルは、クモ膜下出血後の脳血管攣縮抑制薬として臨床使用されているが、ファスジルの気道平滑筋に対する作用についての報告はすくない。今回、副交感神経終末部からアセチルコリン(ACh)を放出させるElectrical field stimulation(EFS)を用い、ラット気管平滑筋におけるEFS誘発性収縮に対するファスジルの影響について検討した。 方法:雄性ウイスターラット(250-350g)15匹を対象とした。気管を幅3mmのリングに切断し、酸素95%二酸化炭素5%で通気したK-H液中で1.0gの静止張力を与えたのち、(1)AChを0から1000μMまで段階的に投与し張力を測定し、ED_<50>を決定した。(2)ED_<50>のAChと同程度の収縮を起こすEFSに対してファスジルまたはイソプロテレノールを0から1000μMまで前投与し、張力を測定した。 結果:頻回の25HzのEFSによっても収縮は変化しなかった。25HzのEFS誘発性収縮はイソプロテレノールによる前投与によって抑制されなかったが、ファスジルによって濃度依存性に抑制された。この時のID_<50>は57.54μMであった。 結論:ラット気管平滑筋において、EFS誘発性収縮はファスジルの前投与によって濃度依存性に抑制されたことから、ファスジルは迷走神経緊張亢進による気道平滑筋収縮を抑制することが示唆される。
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Research Products
(1 results)