2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝虚血再潅流障害に対する薬理学的ポストコンディショニング法の開発と分子機序の解明
Project/Area Number |
19591805
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
趙 成三 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325655)
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Keywords | 肝臓 / 虚血再灌流障害 / PI3-Akt / ERK / RISK pathway / eNOS |
Research Abstract |
肝臓においては、短時間先行虚血(虚血プレコン)やPDEIII阻害薬、Rhoキナーゼ阻害薬の虚血前投与の肝虚血再灌流障害に対する保護作用は報告されているが、そのメカニズムに関する報告は少ない。また、虚血・薬理学的ポストコンに関する検討はなされていない。今回、ラット肝虚血再灌流モデルを用い、虚血ポストコンおよびPDEIII阻害薬、Rhoキナーゼ阻害薬の再灌流時投与による保護効果の検討とRISK経路であるPI3-Akt、ERKの関与を調べるため、以下の検討を行っている。 1)肝虚血再灌流障害に対する薬理学的ポストコン法の開発 現在、ラット肝虚血再灌流モデルで、PDEHIII阻害薬、Rhoキナーゼ阻害薬の再灌流時投与によって、肝逸脱酵素AST、ALT、LDHの低下とアポトーシス抑制効果を有することが解明された。 2)分子機序の解明:RISK経路に関する検討 ラット肝虚血再灌流モデルで、PDEIII阻害薬、Rhoキナーゼ阻害薬の再灌流時投与による保護メカ,ニズムは、PI3-Akt活性化阻害薬wortmannin、LY294002とERK活性化阻害薬PD-98059により抑制された。現在、Akt、ERKの活性化を虚血再灌流後の肝臓をホモジナイズして、冷却遠心分離を行い、PI3-Akt、ERK、Rhoキナーゼの活性化をウエスタンブロット法により解析中である。また、肝虚血再灌流障害に関与するとされているeNOSの関与を検討中である。
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