2008 Fiscal Year Annual Research Report
非閉塞性腸管虚血(NOMI)の実験的病態解析と臨床的薬物治療効果の検討
Project/Area Number |
19591806
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
槙田 徹次 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00229337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 利秋 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00325656)
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Keywords | NOMI / 臨床 |
Research Abstract |
非閉塞性腸管虚血(non-occlusive mesenteric ischemia; NOMI)は急性腸管虚血全体のなかでその発生頻度は20〜30%程度であり、死亡率は60〜70%と推定され、決して稀ではなくかつ予後不良の疾患である。NOMIは腸管膜動脈系(ほとんどが上腸管膜動脈系)の一定部位の病的攣縮が持続し、腸に灌流する血流が低下し、急性腸管虚血となった状態であり、血管攣縮がおこる病態メカニズムはまだ確定はされていない。今回我々はブター非閉塞性腸管虚血モデルを使って、NOMIにおける内臓血管循環病態を解明し、より簡便に静脈内投与できる治療法の開発を試みたい。またこの動物実験での結果をふまえて、術後にNOM1が起こりやすいと考えられる、慢性血液透析患者の開心術後患者群でその治療薬を予防的に投与し、NOM1の発生を予防するかを臨床的にも探って行きたい。 H19年度はブタの非閉塞性腸管虚血モデルを確立した。このモデルを使用してH20年度は次のプロトコールを行った。 1)最初のパラメーターを測定した後、以下の薬物を少量投与群と高量投与群に分けて申心静脈ルートより投与を開始する。 a.プロスタグランディンE_1 b.オルプリノンc.カリペプチド(hANP) 2)薬物投与開始後30、60、90、120分後に上記パラメーターを測定し、少量投与-高量投与群間や各薬物聞で比較検討する。 3)心嚢内に注入した5%糖液を全て回収し、心タンポナーデを解除することによる腸管循環の改善の経時的変化を30分ごと測定して、各薬物間で比較検酎する。
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