2007 Fiscal Year Annual Research Report
超短時間作用性選択的β1遮断薬の虚血心筋保護作用機序
Project/Area Number |
19591810
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
金谷 憲明 Sapporo Medical University, 医学部, 准教授 (10244344)
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Keywords | 心臓 / 虚血心 / β遮断薬 |
Research Abstract |
1.虚血再灌流心におけるβ遮断薬の心保護作用の比較(金谷憲明) モルモットを用い、ランゲンドルフ法による摘出拍動心臓標本を作製し、左心室圧、心拍数、冠血流量、心筋酸素消費量を測定した。虚血/再灌流心モデルとして、灌流停止による一過性の全虚血後、再灌流を行った。我々の行った予備実験では45分の虚血後に再灌流を行うと、1時間後の左心室圧は虚血前の70%程度までしか回復しない。 1)虚血/再灌流心に対するβ遮断薬前投与の心保護作用: 虚血15分前に各種β遮断薬(プロプラノロール、エスモロール、ランジオロール)を投与し、虚血/再灌流による心収縮力低下が軽減するか、β遮断薬を前投与しない対照群と比較検討した(各群、n=7)。その結果、β遮断薬は虚血再灌流による心収縮力低下を軽減することが分かった。 2.心仕事量減少を介する心保護作用機序を検討(金谷憲明) β遮断薬の心保護作用が、その心仕事量減少を介する2次的なものなのかを調べた。摘出心は、β遮断薬を15分間前投与された群(n=7)と、β遮断薬による心仕事量減少を補う目的で、心室ペーシングにより心拍数を一定(300/分)にした群(n=7)とで心機能を比較した。 その結果、β遮断薬は心仕事量の減少とは無関係に心保護作用を有する事が判明した。
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