2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経保護因子としてのエリスロポイエチンの新しい作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
19591813
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安藤 富男 Yokohama City University, 医学研究科, 客員教授 (00193110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | エリスロポエチン / イオンチャネル / 細胞内Ca濃度 / 神経保護 |
Research Abstract |
1.細胞興奮性に対するエリスロポエチン(Epo)の短期的効果について 大脳皮質一次培養ニューロンにおいてナイスタチン穿孔パッチ法による膜電位測定を試みた。対照状態およびMg除去によるグルタミン酸受容体刺激状態の両者の条件で、数分間の測定は可能であったが、その後測定値が不安定になり、Epo投与の効果を充分に検討できる実験条件の確立には至らなかった。原因としてナイスタチンの濃度、適用量、ピペットの先端形状などが考えられた。これらの条件を変更しながら試行錯誤的に実験条件の最適化を継続中である。 2.細胞内Ca濃度に対するエリスロポエチン(Epo)の長期的効果について Epoを培地内に4u/mlの濃度で培地に添加し、24時間培養を継続し、その後正常の細胞外液、またはMg除去、グリシン添加の細胞外液として、Fura-2蛍光を測定した。この濃度のEpo 24時間前添加では、24時間後に細胞の一部が細胞死を起こしている状態となった。次に0.4u/mlの濃度で前投与したところ、細胞死は生じなかった。この条件では、正常細胞外液、Mg除去細胞外液における蛍光強度は、Epo前投与のないときと有意差がなかった。したがって、Epo 0.4u/mlの長時間の添加は細胞内Ca濃度に影響を与えないと考えられた。 3.標的イオンチャネルの細胞保護作用への関与の有無 Mg除去によるグルタミン酸受容体刺激によって誘導される大脳皮質一次培養ニューロンの細胞死の程度をpropidium iodide (PI)を用いて解析した。対照状態で24時間培養した対照群に比べて、Mg除去細胞外液暴露群ではPIの発光が高く、細胞死が増加したことが確認できた。Epoの効果やイオンチャネル阻害薬の効果については、検討を開始したところである。
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Research Products
(3 results)